M&A支援 支援先法人の声
後継者不在・老朽化の不安を乗り越え、
事業継承で地域に根ざす病院を守る
医療法人勝又 勝又病院 院長
勝又 一臣 氏
愛知県で50年以上の歴史を持つ勝又病院。地域に根差した療養型病院として安定した経営を続けてきましたが、後継者問題や施設の老朽化、ご家族の健康問題などが重なり、今後の病院運営のあり方を模索されていました。
勝又院長に、M&Aアドバイザリーを含むCUCからの経営支援を受けることを決めた背景と、現在の心境について伺いました。
後継者不在と施設の老朽化、重なった「将来への不安」
── 事業承継を検討されたきっかけは何だったのでしょうか?
いくつかの課題が同時期に重なったことが大きいです。
まず「後継者問題」です。私は3代目として病院を継ぎましたが、娘3人のうち2人は医師になったものの、病院経営を継ぐ意思はありませんでした。
次に「施設の老朽化」です。築50年以上が経過し、建て替えが必要な時期に来ていましたが、療養型病院の収益構造で全面建て替えを行うのは、経営リスクが高く、私個人の背負える範疇を超えていると感じていました。
さらに決定的だったのは、それまで事務方のトップとして経営を支えてくれていた母が倒れ、当時の理事長の父も高齢ゆえに将来への不安を抱くようになったことです。当時は黒字経営で財務内容は良かったのですが、このままでは相続税の問題で家族に多大な苦労をかけることが目に見えていました。
「経営が悪化してからでは遅い。選択肢があるうちに決断すべきだ」と考え、検討を始めました。
「今まで通りの運営」を支援してくれたことが決め手に
── 事業承継のパートナー選びにおいて、CUCを選ばれた理由は何だったのでしょうか?
検討段階では、他の仲介会社を通じて婦人科や透析クリニック、特養老人ホームの運営事業者などからもお話をいただきました。しかし、それらは「病棟を他所に移す」「病院ではなく介護施設にする」「透析専門病院に転換する」といった、ドラスティックな変化を伴う提案ばかりでした。
これまで地域医療を支えてきた病院の機能を変えてしまうことや、長年働いてくれたスタッフを整理することは私にはできませんでした。
その中でCUCだけが、「今まで通り、療養型病院として運営を継続できるパートナー(承継先)」を提案してくれました。「スタッフの雇用維持」や「私自身が院長として残る」という希望条件を満たす枠組みを整えてくれたこと、そして承継後もCUCが経営面をバックアップしてくれるという提案が、家族の理解を得る上で大きな安心材料になりました。
労務管理の負担から解放され、診療に専念できる日々
── CUCの経営支援が入ってから、どのような変化がありましたか?
一番の変化は、病院運営の負担が減ったことです。以前は、労務管理や組織運営に関わる細かな判断まで、すべて私のところに相談が来ていました。もちろん事務長も尽力してくれていましたが、最終的な決裁や責任は院長にあるため私が対応する場面も多くありました。 現在は、そうした労務管理や組織の調整業務をすべてCUCのスタッフが支援してくれています。
おかげで私は医師として診療に専念できるようになりました。また、組織として公平で透明性のあるルールが整備されたことも長期的に見てプラスだと感じています。
── 経営面での変化はいかがですか?
CUCグループのシナジー効果を感じています。近隣にCUCが経営支援を行う急性期病院や訪問診療クリニックがあるので、患者様の紹介や受け入れ体制の連携がスムーズになりました。
何より「将来この病院はどうなるのか」という漠然とした不安がなくなったことで、夜も安心して眠れるようになりました。
決断は経営状態が健全で選択肢があるうちに
── 最後に、事業承継を検討されている先生方へメッセージをお願いします。
実は先日、医師会で知り合った先生から「後継者がいなくて悩んでいる」と相談を受け、「私は事業承継をして気が楽になったよ」と素直な気持ちを伝えたところ、その先生も決断され非常に感謝されました。
経営者としては「先祖代々の病院を自分の代で手放していいのか」という葛藤があるのは当然です。ただ自分に万が一のことがあった時、残された家族やスタッフはどうなるでしょうか。
経営状態が健全で選択肢が選べるうちに決断したからこそ、今の平穏な日々があります。病院経営のプロの支援を受けることは、病院を存続させ、地域医療を守るための一つの有効な選択肢だと思います。
(取材:2025年12月)




