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事業譲渡と株式譲渡の違いを解説!M&Aで損しない選び方

会社の未来を左右するM&A(企業の合併・買収)。その代表的な手法である「事業譲渡」と「株式譲渡」は、似ているようで全く異なる性質を持っています。事業譲渡は会社の「一部」を売買する取引、一方で株式譲渡は「会社そのもの」の経営権を移転する取引です。この根本的な違いを理解しないまま進めてしまうと、税金面で損をしたり、想定外のリスクを抱えたりする可能性があります。

この記事では、M&Aの専門家が「事業譲渡と株式譲渡の7つの違い」を比較表や具体例を交えながら徹底解説します。売り手・買い手それぞれのメリット・デメリットから、税金、手続きの流れまで、この記事を読めば全てがわかります。自社にとって最適なM&A手法を見つけ、成功への第一歩を踏み出しましょう。

事業譲渡 株式譲渡 違い【M&Aの専門家が徹底解説】

事業譲渡と株式譲渡の7つの違いが一目でわかる比較表

まず、事業譲渡と株式譲渡の重要な違いを7つの観点から比較表にまとめました。M&Aの手法を検討する上で最も基本的なポイントとなるため、全体像を把握しましょう。

比較項目 事業譲渡 株式譲渡
① 売買の対象 会社の事業の一部または全部(資産、負債、人材、ノウハウなど) 会社の株式(経営権)
② 契約の当事者 売り手企業 ⇔ 買い手企業 売り手株主 ⇔ 買い手(企業または個人)
③ 資産・負債の承継 個別承継(当事者間で合意した範囲のみ) 包括承継(原則、すべての資産・負債を引き継ぐ)
④ 従業員の雇用 個別の再契約が必要(転籍の同意が必要) 原則として雇用契約はそのまま維持される
⑤ 許認可 買い手が再取得する必要がある 原則として会社に紐づくため引き継がれる
⑥ 売り手の税金 法人税・消費税(売却益を得るのが法人のため) 所得税・住民税など(売却益を得るのが株主個人のため)
⑦ 手続きの複雑さ 煩雑(株主総会の特別決議、資産の個別移転など) 比較的簡易(株主の合意、株主名簿の書換など)

この表が示す通り、両者は目的や状況に応じて使い分けられる全く異なる手法です。それぞれの詳細を次章から深く掘り下げていきましょう。

事業譲渡とは?会社の一部事業を売買する手法

事業譲渡は、会社が営む事業の一部または全部を、他の会社に売却するM&A手法です。例えるなら、デパートが「レストラン部門」だけを切り離して、外食専門企業に売却するようなイメージです。デパート自体は存続し、他の部門(衣料品、雑貨など)の営業は続けます。

事業譲渡の定義と目的

会社法において、事業譲渡は「一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む。)の全部又は重要な一部を譲渡し、これによって譲渡会社がその財産によって営んでいた営業的活動の全部又は重要な一部を譲受会社に承継させ、譲渡会社がその譲渡の限度に応じ法律上当然に競業避止義務を負う結果を伴うもの」と解されています。

簡単に言えば、事業を構成する資産(店舗、設備、在庫など)や負債、人材、ブランド、取引先との関係性などをひとまとめにして売買することです。主な目的は以下の通りです。

  • 選択と集中:不採算事業やノンコア事業を売却し、得られた資金や経営資源を主力事業に集中させる。
  • 事業再生:業績不振の事業を切り離し、会社の財務状況を改善する。
  • 後継者問題の解決:複数の事業のうち、後継者が継承しない事業のみを売却する。

事業譲渡がM&Aで選択される理由

事業譲渡が選択される最大の理由は、買い手側が引き継ぐ範囲を細かく設定できる点にあります。買い手は必要な資産や事業だけを選んで買収できるため、不要な資産や、帳簿には現れない「簿外債務」といった予期せぬリスクを引き継ぐ心配がありません。

売り手側にとっても、会社そのものは手元に残し、特定の事業だけを整理できるため、事業再編の手段として非常に有効です。

株式譲渡とは?会社の経営権を移転する手法

株式譲渡は、会社のオーナー(株主)が保有する株式を買い手に売却することで、会社の経営権を移転させるM&A手法です。これは、会社の所有権そのものを丸ごと譲渡するイメージです。中小企業のM&Aでは、この株式譲渡が最も多く用いられています。

株式譲渡の定義と目的

株式譲渡は、株主が代わるだけで会社自体はそのまま存続します。そのため、会社が持つ資産、負債、契約関係、許認可、従業員の雇用などは、原則としてすべて新しい株主(買い手)に引き継がれます。
主な目的は以下の通りです。

  • 事業承継:後継者がいない経営者が、会社と従業員の将来を考えて第三者に会社を託す。
  • イグジット(出口戦略):創業者や投資家が、会社の株式を売却して投下資本の回収と利益獲得を目指す。
  • グループ再編:親会社が子会社の株式を売却し、グループ全体の戦略を見直す。

中小企業のM&Aで株式譲渡が主流の理由

中小企業のM&Aにおいて株式譲渡が圧倒的に多い理由は、その手続きの簡便さにあります。事業譲渡のように資産や契約を一つひとつ移転させる必要がなく、株主と買い手の合意があれば、株式譲渡契約を締結し、株主名簿を書き換えるだけで手続きが完了します。

また、従業員や取引先との関係もそのまま引き継がれるため、事業への影響を最小限に抑えながらスムーズに経営を引き継げる点も、多くの中小企業経営者に選ばれる理由です。

【売り手側】事業譲渡と株式譲渡のメリット・デメリット比較

M&Aの手法を選択する際、売り手側の視点でのメリット・デメリットを理解することは極めて重要です。

売り手の事業譲渡メリット

一部事業のみを売却し会社は存続できる

最大のメリットは、会社そのものを手放すことなく、特定の事業だけを売却できる点です。これにより、愛着のある会社名を残したり、他の主力事業を継続したりすることが可能です。「選択と集中」を実現し、経営基盤を強化できます。

売却益を新規事業の投資資金にできる

事業譲渡によって得た対価は、会社に入ります。この資金を元手にして、成長が見込める新規事業への投資や、既存事業の設備投資、借入金の返済などに充てることができ、会社のさらなる成長を目指せます。

経営者が個人保証から解放される可能性がある

中小企業では、経営者が会社の借入金に対して個人保証を行っているケースが多くあります。事業譲渡に伴い、その事業に関連する借入金が買い手企業に引き継がれる場合、金融機関との交渉次第で経営者の個人保証を解除できる可能性があります。

売り手の事業譲渡デメリット

手続きが煩雑で時間がかかる

事業譲渡は、資産や負債、契約などを個別に移転させる手続きが必要です。取引先や従業員からの同意取り付け、不動産の登記変更など、多岐にわたる作業が発生し、完了までに多くの時間と労力を要します。

競業避止義務が課される

会社法により、事業を譲渡した会社は、同一市区町村および隣接市区町村において、譲渡した日から20年間、同一の事業を行ってはならないという「競業避止義務」を負います(会社法第21条)。特約で期間を延長(最長30年)または短縮することも可能ですが、売り手の将来の事業活動に制約がかかる可能性があります。

税金の負担が大きくなる可能性がある

事業譲渡による売却益には法人税が課されます。さらに、譲渡対象の資産に土地や建物などの不動産が含まれていなければ、課税資産の譲渡として消費税も発生します。株式譲渡の税率(約20%)と比較して、法人税の実効税率(約30%)は高くなる傾向があり、税負担が重くなる可能性があります。

売り手の株式譲渡メリット

手続きが比較的簡単で迅速

事業譲渡に比べて手続きが非常にシンプルです。株主と買い手が合意すれば、基本的には株式譲渡契約の締結と株主名簿の書き換えで完了します。そのため、迅速にM&Aを進めたい場合に適しています。

会社を包括的に承継できる

会社に関するすべての権利義務が買い手に引き継がれるため、事業譲渡のように個別の手続きは不要です。従業員の雇用や取引先との契約もそのまま維持されるため、事業への影響を最小限に抑えられます。

株主が直接売却益を得られる

株式譲渡の対価は、会社ではなく株主個人(または法人株主)が受け取ります。特にオーナー経営者の場合、引退後の生活資金や新たな挑戦のための資金として、まとまった現金を直接手にすることができます。

売り手の株式譲渡デメリット

会社自体が消滅する(経営権を失う)

株式を100%譲渡した場合、経営権は完全に買い手に移ります。創業者として会社に強い思い入れがある場合、経営から完全に離れることに寂しさや抵抗を感じるかもしれません。

望まない資産や負債も引き継がれる

買い手は会社を丸ごと引き継ぐため、売り手にとって価値のない資産や、想定外の負債(簿外債務)もすべて承継されます。これが後のトラブルの原因となることもあり、デューデリジェンス(買収監査)の過程で詳細な調査が行われます。

【買い手側】事業譲渡と株式譲渡のメリット・デメリット比較

次に、買い手側の視点から両手法のメリット・デメリットを見ていきましょう。

買い手の事業譲渡メリット

必要な事業・資産のみを選択して買収できる

買い手にとって最大のメリットは、欲しい事業や資産だけを選んで買収できる点です。自社の事業とのシナジー効果が高い部門や、最新の設備だけを引き継ぐなど、リスクを限定した上で効率的な投資が可能です。

簿外債務を引き継ぐリスクが低い

引き継ぐ資産と負債は契約で明確に定められるため、帳簿に記載されていない債務や偶発債務(将来発生する可能性のある債務)を引き継ぐリスクをほぼゼロにできます。これにより、M&A後の経営リスクを大幅に低減できます。

のれんの償却による節税効果がある

事業譲渡において、買収価格が譲り受ける純資産の時価を上回る場合、その差額は「のれん(営業権)」として資産計上されます。こののれんは、税務上5年間にわたって均等償却することができ、償却費が損金として計上されるため、法人税の節税効果が期待できます。

買い手の事業譲渡デメリット

個別の資産移転や契約の再締結が必要

譲渡対象となる資産や負債、契約などを一つひとつ個別に移転させる必要があります。特に、取引先との契約は、相手方の同意を得て再締結しなければならず、交渉が難航したり、不利な条件を提示されたりするリスクがあります。

許認可の再取得が必要になる

事業に必要な許認可(建設業許可、宅建業免許など)は、売り手企業に与えられているため、買い手企業が新たに取得し直す必要があります。許認可の種類によっては取得に時間がかかり、その間事業を開始できない「ダウンタイム」が発生する可能性があります。

資金調達の難易度が高い場合がある

事業譲渡は株式譲渡に比べて取引額が大きくなる傾向があり、また消費税の支払いも発生するため、多額の資金が必要となります。金融機関からの融資を受ける際、事業の将来性などを厳しく審査されることがあります。

買い手の株式譲渡メリット

許認可や従業員をそのまま引き継げる

許認可や従業員の雇用契約は会社に帰属するため、株主が変わってもそのまま引き継がれます。事業譲渡のような再取得や再契約の手間がなく、M&A後すぐに事業を円滑に継続できます。

事業を円滑に開始できる

取引先との契約やノウハウ、ブランドなども含めて会社を一体として引き継ぐため、事業運営をスムーズにスタートさせることができます。顧客や市場からの信頼も維持しやすいでしょう。

株主の合意のみで実行できる場合が多い

売り手企業の株主の合意さえ得られれば、M&Aを実行できます。事業譲渡のように、多数の取引先や従業員から個別に同意を取り付ける必要がないため、交渉相手が限定され、プロセスを管理しやすいです。

買い手の株式譲渡デメリット

簿外債務や偶発債務を引き継ぐリスクがある

会社を丸ごと引き継ぐため、売り手企業が抱えるすべての負債を承継します。これには、未払いの残業代、将来の訴訟リスク、税務上の問題といった、決算書には現れない「簿外債務」や「偶発債務」も含まれます。このリスクを洗い出すために、専門家による詳細なデューデリジェンスが不可欠です。

不要な資産も引き継ぐ必要がある

事業運営に直接関係のない不動産や、活用が難しい旧式の設備など、不要な資産もまとめて引き継ぐことになります。これらの資産の維持管理コストや、売却する際の手間が発生する可能性があります。

事業譲渡と株式譲渡の税金の違いを徹底比較

税金はM&Aのスキーム選択において最も重要な要素の一つです。誰が、どのような税金を支払うのか、その違いを明確に理解しましょう。

事業譲渡で発生する税金(売り手・買い手)

売り手側に課される税金:法人税・消費税

事業譲渡によって得た利益(譲渡価額から譲渡資産の簿価を差し引いた額)は、売り手企業の収益となるため、法人税の課税対象となります。
また、譲渡する資産のうち、土地を除く建物、機械、車両、のれんなどは課税資産とみなされ、これらに対して消費税が課されます。売り手企業は消費税を買い手から預かり、国に納付する義務があります。

買い手側に課される税金:不動産取得税・登録免許税

買い手側は、譲渡対象に不動産が含まれている場合、不動産取得税や所有権移転登記のための登録免許税を納める必要があります。また、売り手企業に対して消費税を支払います(買い手側が課税事業者であれば、仕入税額控除により相殺される場合があります)。

株式譲渡で発生する税金(売り手・買い手)

売り手(株主)に課される税金:所得税・住民税・復興特別所得税

売り手が個人の場合、株式の譲渡によって得た利益(譲渡所得)に対して、所得税(15%)、復興特別所得税(0.315%)、住民税(5%)が課されます。合計税率は20.315%です。これは申告分離課税であり、他の所得とは合算されずに計算されます。事業譲渡における法人税の実効税率(約30%)と比べると、一般的に税負担が軽くなるケースが多いです。

買い手側に課される税金:原則非課税(みなし配当を除く)

株式の取得に対して、買い手側に直接課される税金は原則としてありません。ただし、自己株式の取得など特定のケースでは、税務上「みなし配当」と判断され、配当所得として課税される場合がありますが、一般的な第三者間のM&Aでは稀です。

事業譲渡と株式譲渡の手続き・流れの違い

手続きの煩雑さも、両者を比較する上で重要なポイントです。

事業譲渡の主な手続きと流れ

事業譲渡は会社法で定められた厳格な手続きを踏む必要があります。

  1. 取締役会での決議
    まず、事業譲渡を行うことについて取締役会で決議します。
  2. 事業譲渡契約の締結
    買い手企業との間で、譲渡対象となる資産・負債の範囲、譲渡価格、従業員の処遇などを定めた事業譲渡契約を締結します。
  3. 株主総会での特別決議
    事業の全部または重要な一部を譲渡する場合、原則として、譲渡の効力発生日の前日までに株主総会を招集し、議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成による特別決議が必要です。
  4. 反対株主からの株式買取請求への対応
    事業譲渡に反対する株主は、会社に対して自己の株式を公正な価格で買い取るよう請求する権利(株式買取請求権)があります。会社はこの請求に対応する必要があります。
  5. 資産・契約等の個別移転手続き
    不動産の所有権移転登記、預金口座の名義変更、取引先との契約の再締結、従業員からの転籍同意の取得など、個別の移転手続きを進めます。
  6. 登記手続き(必要な場合)
    商号を譲渡する場合など、特定のケースでは登記が必要となります。

株式譲渡の主な手続きと流れ

多くの中小企業は、株式に譲渡制限を設けています。その場合の手続きは以下の通りです。

  1. 株式譲渡承認請求(譲渡制限株式の場合)
    売り手株主は、会社に対して株式の譲渡を承認するよう請求します。
  2. 取締役会(または株主総会)での承認決議
    会社は取締役会(定款に定めがあれば株主総会)を開き、株式譲渡を承認するかどうかを決議します。
  3. 株式譲渡契約の締結
    売り手株主と買い手との間で、譲渡する株式数、譲渡価格、表明保証などを定めた株式譲渡契約を締結します。
  4. 株式名義書換請求・株主名簿の書き換え
    契約締結後、株式を取得した買い手は、会社に対して株主名簿の名義を書き換えるよう請求します。会社がこれを実施して株主名簿を更新した時点で、株式譲渡の効力が第三者に対しても認められることになります。

事業譲渡か株式譲渡か?最適なM&A手法の選び方

これまでの違いを踏まえ、どのような場合にどちらの手法が適しているのかを整理します。

事業譲渡が適しているケース

不採算事業だけを切り離したい場合

複数の事業を運営しており、特定の不採算事業やノンコア事業だけを整理して、経営資源を主力事業に集中させたい場合に最適です。

会社は手元に残したい場合

創業した会社や社名に愛着があり、経営権は手放したくないが、事業再編や資金調達のために一部の事業を売却したい場合に適しています。

買い手が簿外債務のリスクを避けたい場合

買い手側の視点では、承継する資産・負債を限定できるため、簿外債務を引き継ぐリスクを徹底的に排除したい場合に事業譲渡が選択されます。

株式譲渡が適しているケース

後継者不在で会社全体を売却したい場合

親族や社内に適切な後継者がおらず、会社と従業員の将来を考えて、事業全体を信頼できる第三者に引き継いでもらいたい場合に最も一般的な手法です。

手続きを迅速に進めたい場合

事業譲渡に比べて手続きが簡便であるため、できるだけ早くM&Aを完了させたい場合に適しています。

許認可や従業員の雇用を維持したい場合

事業に必要な許認可の再取得が困難な場合や、従業員の雇用、取引先との関係をスムーズに引き継ぎたい場合に、包括的に承継できる株式譲渡が有利です。

事業譲渡と株式譲渡に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 事業譲渡とM&Aの違いは何ですか?

M&Aは「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」の略で、企業の組織再編行為全般を指す広い概念です。事業譲渡は、そのM&Aを実現するための手法(スキーム)の一つです。株式譲渡のほか、会社分割、合併、株式交換などもM&Aの手法に含まれます。

Q2. 事業譲渡の場合、株主や株式はどうなりますか?

事業譲渡は、あくまで会社とその事業の一部を売買する取引です。会社自体は存続するため、株主や発行されている株式に直接的な影響はありません。株主は引き続きその会社の株主であり続けます。ただし、会社の重要な事業が譲渡されることで、株価に影響が及ぶ可能性はあります。

Q3. 事業譲渡と会社譲渡の違いは?

「会社譲渡」という言葉は、法的な専門用語ではありませんが、一般的には会社の経営権を譲渡することを指し、多くの場合「株式譲渡」とほぼ同じ意味で使われます。したがって、事業の一部を譲渡する事業譲渡とは明確に異なります。

Q4. 株式譲渡と会社売却の違いは?

「会社売却」も「会社譲渡」と同様、一般的に使われる言葉であり、法的な定義はありません。文脈にもよりますが、こちらも株式譲渡によって会社全体を売り渡すことを指すケースがほとんどです。

Q5. 事業譲渡の対価は株式でも可能ですか?

事業譲渡の対価は、金銭で支払われるのが一般的です。しかし、当事者間の合意があれば、買い手企業の株式を対価とすることも理論上は可能です。これは「現物出資」という形になり、複雑な手続きが必要となるため、実務上はあまり用いられません。

まとめ:事業譲渡と株式譲渡の違いを理解し、最適な選択を

本記事では、M&Aの代表的な手法である「事業譲渡」と「株式譲渡」について、7つの主要な違いを中心に、メリット・デメリット、税金、手続きの観点から詳しく解説しました。

改めて、両者の最も重要な違いをまとめます。

  • 事業譲渡:会社の「事業」を売買する手法。必要な部分だけを切り離せるが、手続きが煩雑。
  • 株式譲渡:会社の「経営権(株式)」を売買する手法。手続きは簡便だが、会社を丸ごと引き継ぐ。

どちらの手法が最適かは、売り手・買い手それぞれの目的、会社の状況、税務上の影響など、様々な要因を総合的に考慮して判断する必要があります。誤った選択は、思わぬ不利益につながる可能性もあります。

M&Aの検討は、企業の未来を決定づける重要な経営判断です。最適なスキームを選択し、成功に導くためには、M&A仲介会社や弁護士、公認会計士、税理士といった専門家の知見が不可欠です。まずは専門家に相談し、自社の状況を客観的に分析してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。


免責事項
本記事は、M&Aに関する一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、法的、税務的、または投資上のアドバイスを提供するものではありません。具体的な案件については、必ず弁護士、税理士等の専門家にご相談ください。本記事の情報を用いて生じたいかなる損害についても、当方は一切の責任を負いかねます。

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